円に偏った資産配分は、円安が進むとマイナスの影響を及ぼします。ほぼ全ての資産が円建てという状況は、円安に対して資産が無防備な状態です。資産を一ヶ所に集中させてしまうのではなく、海外へ「分散投資」する方法は、有効的なリスクヘッジとして広く用いられています。
日本の一般政府総債務残高(国、地方自治体、社会保障基金)は、日本のGDP(国内総生産)の約2.5倍の約1,238兆円(2015年度末:IMF推計値)。もしもの時のリスクヘッジとして、資産の一部を海外に振り分けることは、資産を守る大切な選択肢と言えます。
実物資産である不動産投資は、「減価償却」の活用によって節税効果を得られます。これは海外不動産資産でも同様で、株式などの金融資産への投資にはない大きなメリットです。
2008年以降日本の人口は継続して減少しており、今まさに日本は『人口減少社会』の只中にあります。しかも、その減少幅は年々拡大傾向にあり、2014年6月に総務省が公表した平成26年 1月1日の確定値を見ると、前年同月比で25万8千人も減少。さらに、生産年齢人口(15歳~64歳)の減少幅は凄まじく、前年同月比116万6千人も減少しています。これは労働力の低下を意味し、一方で65歳以上の人口は109万9千人増。高齢者比率の上昇は、年金、医療、福祉等の社会保障制度における現役世代の負担を増大させます。日本の債務状況を考えても、人口減少問題は日本経済の将来にとってリスクと捉えるべき大きな問題です。
日本の財政は、歳出が税収等を上回る財政赤字の状況が続いています。またその内訳を見ると、一般会計歳出のうち社会保障関係費が約3割も占めており、これに地方交付税交付金等の国債費を合わせると全体の7割を超えることとなります。一方、歳入面は、年間の税収が予算の半分程度に留まり、4割を借金(公債金収入) でまかなっている状況です。
歳出と税収等の差額を借金で埋め合わせた結果、普通国債残高は年々増加し、平成27年度末で807兆円程度に上る見込みです。また普通国債残高は、税収がピークを迎えた平成2年度以降約 24年間で約603兆円 と大幅に増加しています。これは、景気低迷による税収の減少や景気対策等の減税により歳入は減少した一方で、公共事業をはじめとした景気対策や高齢化等による社会保障関係費の増大等により歳出が伸び続けたことが原因と言われています。
いつ起きても不思議はないと言われている首都直下型の巨大地震。最悪の場合の想定被害は死者数1万3000人、建物全壊約85万棟、避難者約700万人とも言われています。中央防災会議がまとめた「首都直下地震」(東京湾北部地震 M7.3)の被害想定によると、その経済的な被害は甚大となり、建物・インフラ設備の損害だけで復旧費用は66.6兆円。間接被害を加えると、経済被害は約112兆円(国内総生産の約2割)に達すると試算されています。さらに、財政破綻の確率は2015年に震災のある場合、2020年時点で震災のないケースの12%から43%まで急激に高まるとされています。
個人に対する課税強化は、多額の税金を払うべき人の海外への流出をもたらし、国の財政をさらに悪化させる恐れがあります。課税強化は特に富裕層に向けて強く行われており、海外に脱出することで日本への納税を回避する人も現れてきています。
海外の不動産では、資産家自身が管理することは難しいため、現地の信頼できる人間を味方につけることが安心して運用できるポイントとなります。しかし、資産家本人が国外にいることを良いことに商売をしている悪しき人間がいることも事実。そのため、現地を熟知した信頼できる人間と信頼できる関係性を作る必要性があります。
いくら収益が現地での不動産投資が成功しても相対的な円高になってしまっては、利益は減少してしまいます。そのため、海外不動産投資をおこなう際は、世界的な為替のトレンドやその国の信頼度などを鑑み、投資する必要があります。
投資する国の文化や習慣が異なるとこも注意すべきポイントのひとつ。普段日本での暮らしでは当たり前のことでも、国によっては全く違った感覚で取り扱われることもしばしば。異国であるという認識を持ったうえで、建物の質や不動産取引を判断する必要がありあす。